日本の食について考える(肉類)

いつの頃からか肉を食べないとスタミナがつかない、と思うようになっている現代の日本人。

そもそも日本人は穀類や豆類、葉物野菜や根菜類、海藻類、魚介類を主食としていた。

古事記には粟(あわ)、稗(ひえ)、麦、豆、稲が五穀とされており、江戸時代以降は米、麦、粟、豆、黍(きび)が五穀とされていたようである。

人間にとって必要な栄養素は穀物や野菜、果物類によってすべて摂取できるように本来なっている。

つまり、健康な体を維持するのに必要なタンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、脂肪、アミノ酸など、すべて植物性の食べ物で摂れてしまうのである。

それに対して肉類はタンパク質や脂肪は多いが、その他の栄養素はほとんど欠如している。

植物性の物ばかりだと栄養不足になり、体調を崩すと思われがちだが、栄養学的には根拠のない話である。大豆においては肉類よりも多くの良質なタンパク質を摂取できるし、カルシウムは牛乳よりもひじきの方が豊富に含んでいる。玄米など精製されていない穀類にはビタミン、ミネラル、鉄分、アミノ酸、脂肪などが多く含まれている。

また、肉類の弊害として、タンパク質だけが吸収されるのであればよいが、肉は腐敗する過程にあるから、硫化水素、アンモニア、その他の毒素が腸管から吸収されてしまう。また、繊維がないために便秘になりやすく、毒素の吸収はさらに高まり、不健康の要因となっている。

日本の長い歴史をみても戦国時代に重たい鎧や兜を身につけ、何十日も戦をする日本人の祖先達は、何を食べていたのか?と考えれば、食物性のものばかりでも十分に健康維持ができていたとわかるはず。

明治維新後には、すき焼きや牛鍋など肉料理が広められ、学者達によって「肉は健康によい」と聞かされると、庶民にも普及するようになってしまった。

さらに、戦後、アメリカのような欧米型生活スタイルや思想が格好良くて優れていると洗脳され、日本の伝統文化は時代遅れと決めつける考えが浸透していった。それによって「肉を食べなければ栄養バランスを崩し病気になる」と多くの日本人が信じるようになったのである。これはGHQの政策の一環として、日本の市場に参入するためアメリカ企業の思惑が働いたと考えられる。

肉、卵、牛乳などタンパク質は健康のため動物性は必要だ!と日本人を煽っていたが、実際のところはアメリカの飼料穀物会社による戦略で、家畜飼料の市場を独占したいという事だったと考えられる。

実際に肉食と菜食の体力差について「車夫の走力実験」をしたところ、「白米、芋、大麦、粟」を食べた場合は(脂肪とタンパク質は少なく、デンプン量が多い)3週間でわずかに体重が減った程度だった。ところが牛肉を与えて(デンプン量を減らす)みると、わずか3日後にはとても疲れてしまい、肉を減らした元の菜食にしたら元気になった、という結果だったという。そのほか、耐久力についての実験もあったが、いずれにしても肉食よりも菜食の方が耐久力が上回っている結果となり、必ずしも肉食がスタミナの元ではないことが証明されているのである。

やはり、日本人は住む土地で採れた穀物や野菜が体には合っているし、先人達の長年の知恵に基づいた食文化が健康維持には欠かせないものだと改めて認識する必要がある。

皆さん、目を覚ましてください。

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